DHCP フェールオーバー ピアはサーバ状態内で動作します。これらの状態によって、DHCP フェールオーバー サーバがピア サーバとどのように連携するかまたは連携しないか、通常のサーバ動作をどのように管理するか、2 つのサーバが通信できないときにどのように動作を管理するかが決まります。
接続エラーの発生時に DNS/DHCP サーバの DHCP フェールオーバー状態を強制できます。
DHCP フェールオーバー状態を強制するには:
- メイン セッション モードで、configure dhcp と入力して Enter キーを押します。
-
force <failover state> と入力して Enter キーを押します。
ここで、
<failover state>
は次のフェールオーバー状態のいずれかを表します。- startup-state: フェールオーバー向けに構成された DHCP サーバを初めて初期化するとき、フェールオーバーを稼働状態と仮定し、フェールオーバー ピアとの連絡を試みる間に
STARTUP
へ移行します。この短い時間の間、サーバは DHCP クライアント要求に対して応答しません。遅延により、サーバは相手側の状態が変更されたかどうかを判定し、DHCP クライアント要求に応答する前に変更された状態に反応する機会があります。 - normal-state: DHCP フェールオーバー サーバの標準稼働状態。この状態では、両方のサーバが互いに通信できます。
- comm-int-state: この状態になると、サーバは互いに通信できなくなり、また、どちらのサーバも相手側の状態を認識できません。この状態では、すべての操作において、他の DHCP サーバが稼働していてアドレスのリースを行うと仮定されます。
サーバは通信中断状態になると、アドレス リースの割り当て方法を変更します。既存のリースの更新を最初に試行するクライアントは、通常のリース時間の残り時間に最大クライアント リード タイム (MCLT) の値を加えた期間、新しいリースを受け取ります。その後のリースは MCLT の間の分配のみが行われ、クライアントはリース更新を付与されず、その代わりに常に新しいアドレスのリースを受け取ります。クライアントが手動でアドレス リースをリリースすると、サーバが通常状態に戻るまでの間、そのアドレスは放棄されます。
通信中断状態のデメリットはすぐに現れます。クライアントに付与される (MCLT) リース時間が短く、リースが更新されない場合、アドレス プールが短時間で枯渇し、ネットワーク トラフィック レベルが増加します。
- partn-down-state: フェールオーバー ピアがダウンしているとき、手動で動作中のピアをパートナー ダウン状態に変更する必要があります。force partn-down-state コマンドの使用前にプライマリ サーバであったかどうかにかかわらず、残っているサーバがプライマリ サーバになります。動作中のサーバは引き続きリースを MCLT の間分配しますが、リースを更新します。また、このサーバは期限切れ、リセット済み、リリース済みのリースをすべて再利用し、未使用アドレス プール全体を割り当てに使用することができます。パートナがオンラインに復帰しても、このサーバがそのままプライマリ サーバになります。
- recover-state:
復旧
状態では、DHCP サーバは起動して相手側がパートナーダウン
状態にあることを検出すると、その相手側から完全な更新情報を取得することができます。また、相手側との通信記録がない場合にもこの状態に入ります。この状態に入ると、サーバは、相手側との通信を確立している間、DHCP サービスを停止します。サーバが相手側から更新情報を受信したら、サーバは復旧待機
状態へ移行します。 - shutdown-state: 計画的な機能停止中にフェールオーバー サーバが置かれる管理状態。この状態では、サーバは状態メッセージを相手側に送信し、
シャットダウン
状態であるためサービスを中断していることを伝達します。フェールオーバー ピアは自動的にパートナー ダウン
状態へ移行します。
- startup-state: フェールオーバー向けに構成された DHCP サーバを初めて初期化するとき、フェールオーバーを稼働状態と仮定し、フェールオーバー ピアとの連絡を試みる間に